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07/15  神様の裏の顔。

人格者で誰からも慕われていた教師・坪井誠造が他界した。
通夜に集まった、元教え子、元同僚、ご近所さん、マンションの店子など、
多くの弔問者は神様のような人柄だった故人との別れを惜しんで涙を流していた。
各々が回想に更けるなか、
「まさかそんなことするわけないよな」で塞き止めていた疑惑が明かされた時、
神様のとんでもない裏の顔が…という話。

弔問者の独白形式で展開していく偶像劇。
パズルのピースの様に、謎と鍵の掛け違いが緻密に張り巡らされていて、
丁寧にフリを重ねている分、伏線回収の爽快感はひとしお。

通夜をぶち壊すような親族争いとかのドタバタした話になるかと思ったけど、
想像以上にスタイリッシュなシチュエーションコメディだった。
接点の無い各々の独白をオープンにして一気に謎解きへと繋げる構成が面白かった。
また良い意味で大味なキャラクターや視点の繋ぎが巧みであっという間に引き込まれた。

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    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
    07/08  探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて。

    勤め先をクビになりなんでも屋を始めた橘良太が出会った探偵は、
    ロリータ服に身を包んだ小学四年生の女の子だった。
    ユーモアミステリーの名手・東川篤哉の探偵少女シリーズ連作短編集。
    溝ノ口より愛をこめて。

    烏賊川市シリーズと変わらず、ユーモアミステリーを装った本格推理小説。
    秀逸なギャグに紛れ込ませるようにミステリーの醍醐味が注ぎ込まれている。
    唯一の違いは、今回の舞台は実在する地名だということ。
    何の恨みか南武線沿線を全力でいじり倒す様はまさにタイトルに偽り無し。
    もはや探偵少女が霞んじゃってるから。

    たぶんニヤニヤしながら南武線に乗りたくなること請け合い。
    出来れば長編もお願いしたいけど、やはり南武線には荷が重いかな。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      06/24  パロール・ジュレと魔法の冒険。

      つぶやきが凍結して結晶化する謎の現象が起こる街キノフを舞台に、
      諜報員やら解凍士やらが暗躍する魔法的冒険小説。
      主人公十一番目のフィッシュがたどり着く秘密の真相とは。

      ハードボイルドなスパイ小説と見せかけて、
      本の中に潜入したり登場人物に変貌したりと、
      著者らしいユーモアと言葉遊びの効いた濃厚なファンタジー小説だった。
      雰囲気と世界観がとにかく絵になる。

      本から本へと渡り歩くフィッシュさながらなストーリー展開に
      振り落とされない様に必死に食らいついた感じ。
      この骨格ならもう少しミステリー路線でも行けたし、
      遠いどこかの国のSFな日常小説でもいけたよねって思う。

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        05/06  カナシミ。
        スネオヘアー
        リットーミュージック
        ¥ 1,404
        (2018-03-16)

        大学卒業後、やりたいことを見つけられずに怠惰な日々を送るコウジの前に
        突然現れたカナシミ。
        挫折と失敗を繰り返すコウジと至るところに現れては翻弄するカナシミ。
        スネオヘアーの悲しみロックフェスティバルを題材にした本人書き下ろし小説。

        ちっとも成長しない主人公の自分勝手さがリアルだけど胸は打たない。
        敢えてなのか、ユニークなキャラクターとの会話の描写が物凄く淡白に進んでしまう上に、
        急に疎遠になったりするので、どうしてくれようこの消化不良感。
        これといった伏線の回収もない。
        著者の愛すべき独特な感性と語彙力はそこそこ楽しめる。

        ジャンル分けが難しい。
        恋愛とかミステリーとかSFとかジュブナイルとか、
        話の持って行きようはあったと思うけど、
        強いて言えば純文学風の青春小説だろうか。言うほど切なくは無い。
        これはこれで好きだけど起伏を期待していたので残念。

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          | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
          04/30  カソウスキの行方。

          理不尽ないきさつで郊外の倉庫に左遷させられたイリエ。
          婚約して元気になった友人にあやかりたいと、
          消去法で同僚を好きになったと仮想してみる、という話。
          恋愛でもなく、妄想でも空想でもなく、
          想定と観察という不思議な小説。他2編収録。

          能動的と消極的のアンバランスさの妙。
          主人公の冷静さやナナメさに
          恋に「落ちた人」と「落ちたテイの人」との明確な違いを見た気がする。
          恋愛はすごいなあおい(棒読み)。

          着想としては
          もっとエキセントリックにもロマンチックにも持ってけただろうけど、
          そこら辺の変に律儀で不器用で偏屈なところに
          この主人公が生きてるような気がして勇気と親近感が湧くんだと思う。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            01/20  ほうかご探偵隊。

            探偵小説好きの小学五年生の僕と龍之介くんが挑むのは、
            クラスで起きている謎の不要物連続消失事件。二点三点の末に辿り着く真相とは。
            これから本格推理小説を読むすべての子供達に送る。

            子供向けと侮るなかれ大人も大満足の名探偵っぷりと怒涛のどんでん返し。
            いろんなタイプのミステリー小説を一度に楽しめるような豪華な作品だと思う。
            倉知淳好きには間違いなく損させないクオリティ。

            小学生らしからぬ台詞回しが逆に壮大なネタみたいでカワイイ。
            「日曜の夜は出たくない」を初めて読んだ時みたいな不思議な読了感が味わえた。

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              | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
              01/13  アイネクライネナハトムジーク。

              「出会い」をテーマにした連作短編集。特殊能力も殺し屋も泥棒も登場しない。
              ひょんな事で残業したり、友人宅で家飲みしたり、
              家族や恋人と揉めそうになったり、仕事を頑張ってみるかと奮起したり、
              普通だけどちょっと情けない、けどなぜかほっとけない、小さな夜の物語。

              実は重要なピースを担うボクシングのエピソード。
              性別も時間軸もバラバラな主人公達を繋ぐのは
              「日本人初のヘビー級タイトルマッチに挑戦したある試合」という構成。
              相変わらずダメだけどカッコイイキャラクターの訳の分からない名言がいちいち刺さる。
              フィッシュストーリーや終末のフールの雰囲気が好きな人にオススメしたい。
              初心者向けではあるけどその場合には斉藤さんが結構ネックになってくるのよね。

              伏線回収や隠れたリンクを支持するレビューが目に付くけど、
              そこまで凝ってるような感じはしなかった。
              むしろ、各エピソードの切り取り方が斬新だったと思う。

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                | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                12/31  覚悟は出来てたけどね、ありがとう。

                元日のおみくじの通りの一年だったか検証する神様と反省会2017。
                今年は「吉」でした。そろそろどーんと大きな船に乗りたいのですが。

                「見通しは立つ、が、派手さに目を奪われるな」との事。
                んで、結果「吉」ってことは、足元すくわれるって事だよね?
                分かってたのにすくわれたわ足元。覚悟は出来てたけどね、ありがとう。

                仕事:◯好調だが無理するな。→◯酷い有様だけど後半幾分持ち直した。
                縁談:△自戒せよ。見栄をはるな。→△自戒して見えは捨てたと自負している。
                学業:◯閃きを信じて迷わず進め。→✕進んではみたけど、もしや閃き間違ってる?
                健康:△変化が激しい。調子を保て。→◯おそらく体質改善したけど体調に変化なし。

                かなり忠実に一年を過ごしたと思うのですが、好機や転機を見送った感も否めない。
                叶わなかった場合にどうしてくれよう、といった具合です。凶じゃないだけマシって事か。
                良くも悪くも、
                余程ダイナミックな事をしない限り、人生の枠からは外れないんだと思い知った。

                日々に追われて読書の時間が減ってしまっているのが悲しい。
                久しぶりにマニアック路線に戻してみたけど、エンターテイメント性に乏しい一年だった。
                ので、来年はもう少しメリハリのある作品を意識的に選んで行きたい。

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                  | author : すペ3 | category : days | comment : comments(0) |
                  12/30  最低。

                  現役AV女優によるAV女優という仕事を選んだ女性を描いた短編集。
                  両親、恋人、夫、娘、というそれぞれのかけがえのない人間関係に、
                  驚くほど身近で呆気ないほど乱暴に影響を及ぼすAV女優という職業とは。

                  笑える裏話とかあるあるネタでは無く、耳障りの良いお仕事小説でもなく、
                  あくまでAV女優という題材をきちんと文学的に表現した作品だと思う。
                  性的な刺激は抑えめで、読了後に言い様のない寂しさを感じる。

                  途中の変な句読点が見え透いてて鼻についたけど、
                  よくある素人のケータイ小説みたいなクオリティとは明らかに違っていた。
                  この人のイロモノとしてでないエンターテインメント作品が読んでみたい。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    12/10  坐禅ガール。

                    作家のよう子が出会ったのは、心に闇を抱えた美女りん子。
                    ひょんなことからアメリカの禅マスターの坐禅会に参加することになった二人は、
                    徐々に自身のコンプレックスと向き合っていく、という話。

                    坐禅や瞑想の理解が深まればと思ったのだけど、
                    どちらかと言えばコンプレックスとの付き合い方に終始していたような印象。
                    そこまで万能も超越も無いのは分かってるんだけど、
                    その割には坐禅マスターの絶対的な存在が腑に落ちなかった。坐禅ってそうなのか。

                    ポップな装丁と見せかけて結構じっとりした内容だった。
                    メンヘラな深層描写は近藤史恵の小説みたいでヤバかったけど、
                    ミステリ的な手法や展開が物足りなかった。

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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