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10/23  少年少女飛行倶楽部。

中学一年生の佐田海月が、
親友・樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。
部員数も足りない活動内容すら曖昧な、あり得ないんだけどマジ、な部活。
果たして彼等は飛行する事が出来るのか。

鳥人間コンテストっぽいスポ根青春系の話を期待してたのだけど、
友達関係や家族の問題を扱った中学生日記的な道徳青春系の話だった。
著者なら、頑張れば日常の謎の一個や二個くらい忍ばせられそうだったけど、
こういうちょっとドタバタでマンガみたいな展開も面白かった。

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    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
    09/24  台所のラジオ。

    台所のラジオから流れる小さな声に導かれるままに、
    記憶の底に眠る美味しそうな食べ物にまつわる短編集。

    吉田篤弘の小説に度々登場する美味しそうな食べ物は、
    どれも気取らない日常的なものでありつつも、
    どこか不思議なお洒落さを兼ね備えていると思う。

    心がほっこりするようなストーリーかと思いきや、
    食べ物とラジオ以外の共通点は無く、
    キュンとする話からゾクリとする話まで、
    著者の様々な面を楽しめる充実の読書体験だった。
    あとがきも秀逸過ぎる。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      07/31  金曜のバカ。
      越谷 オサム
      角川書店(角川グループパブリッシング)
      ¥ 562
      (2012-11-22)

      ある理由から金曜日が憂鬱な女子高生の話。
      天体観測の夜に出会った不思議な男女の話。
      オタクがバレないようにデートする高校生の話。
      不器用だけど一途なバカたちの愛すべき青春の1ページ。

      バカって青春だなって思う。
      好きな事や物を全力で好きになれる純粋さはある種の優しさ。
      バカが生きにくい世の中のような気もするけど、それでもバカはいる。
      むしろそうなりたい。

      何も考えずに爽やかな読了感だけを堪能するのにうってつけの作品。
      コンセプトありきのド直球な短編集でありながらも、
      巧みなストーリーテリングと今風のカジュアルな文体で飽きずに読めた。

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        07/19  PK。
        伊坂 幸太郎
        講談社
        ¥ 572
        (2014-11-14)

        代表戦出場を懸けたサッカー選手、落下した子供を救った政治家、
        妻に浮気がバレそうな作家、特殊な能力に悩む警備会社の営業、
        「あなたの力が必要なんです」と言われた男。
        それぞれが振り絞る勇気と、もっとスマートなやり方のある話。

        伊坂作品として異色というフレコミだったけど、いつもどおりの印象。
        無関係なエピソードの細切れが、絶妙なカメラワークのように目まぐるしく展開していく。
        ドミノとかパズルとかそういうギミック的な部分に過度に期待しちゃった人が、
        低評価なのかもしれないけど、著者ならではのSFが評価されないのは残念だ。

        世界を変えるのは本当に大変な事なんだけど、
        二十年後の事を考えてわくわくすれば良いっていうのが、
        シンプルなメッセージのように思う。それが伝わればいいなと思う。

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          | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
          07/13  スペードの3。

          元スター女優・香北つかさのファンクラブ「ファミリア」
          そのリーダー役の江崎美知代の前に現れたのは昔の同級生アキ。
          他人を動かすカリスマ性に心のざわめきを覚えた美知代は、
          学級員を務めてきた学生時代の記憶が呼び戻される、という話。
          それは最強のカードにも勝てる切り札。使い時はいつか。

          その名の通り「大富豪」を題材にしているので、
          手に汗握る駆け引きとか、えげつない策略の応酬とかを想像してたのだけど、
          「革命」を軸に、憧れを手に入れ損ねた主人公達の人間模様の話。

          朝井リョウによる新しい形のスクールカーストだと思う。
          連作ではない同じ世界観で独立した3つ物語が一つの作品を構築している感じ。
          オーケストラで第一楽章から第三楽章まで聴いたような読了感。
          とはいえ、表題作以外はスピンオフっぽい印象だった。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            06/29  食堂のおばちゃん 。

            佃にある「はじめ食堂」は、姑の一子と嫁の二三が切り盛りする食堂。
            昼は定食屋、夜は居酒屋として、丹精込めた料理を良心価格で提供している。
            色々ある人生を生き抜くために、お腹を空かせたいつもの顔ぶれが集まってくる。

            下町の飾らない食堂とその味を愛する人達の話。
            行ったことは無いけど原風景として誰でも心に描いているであろう懐かしい雰囲気。
            愛すべき常連さんや地域に根付いてる感じは分かるけど、
            若干登場人物がゴチャっとしてる印象で、主役が分かりにくい気がした。

            食堂経営の難しさ+昔ながらの人情話+ほっこりする料理って感じ。
            裏方の大変さ、客との距離感、時代や世代など、著者の実体験が効いてるのかな。
            ドラマというよりドキュメンタリーを見ている感覚に近かった。

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              | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
              06/25  夜の床屋。

              無人駅で見かけたのは深夜にだけ営業する不思議な床屋だった。
              好奇心に駆られた大学生は店の扉に手をかけた…果たして、その結末は。
              奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける短編集。

              ミステリーズ!新人賞受賞作は伊達じゃなく、
              エレガントとトンデモ推理のちょうど中間といった感じ。
              悪くはないんだけど、
              心をガッチリ掴まれる前に急旋回される感じで上手くハラハラ出来なかった。
              あと、論理のアクロバットをもうひとひねり欲しかった。

              連作の中盤くらいからって評判を見かけたけど、結構序盤から雲行きは怪しい。
              世界観は嫌いじゃないけど、とりあえずタイトルなんとかならなかったのかな。

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                | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                06/18  なぎなた。

                倉知淳のノンシリーズ短編集「なぎなた」です。
                姉妹作の「こめぐら」もよろしく、ホントそれに尽きる。
                みんな大好き猫丸先輩も出てこないけど、倉知節は健在です。

                ノンシリーズ作品集と言いつつも、
                シリーズ化を断念したもの、虎視眈々と機会を伺ってるもの、
                モチーフやギミックに拘ったものなど、バラエティに富んだラインナップ。
                何せ十数年前に書かれた話からつい最近発表された作品までが一堂に会している。

                抜群の筆力とユーモアでストーリーの取っ付きやすさも然ることながら、
                独特の棘々しい本格ミステリ映えする雰囲気とのほほんとした緩い文体がとても好き。
                作者自身による少々ぶっちゃけ過ぎの解説も合わせて読むと
                作品集感がより増して楽しめると思う。

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                  | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                  06/02  キアズマ。

                  ひょんな事から大学の自転車部の部員となった正樹。
                  ロードレースの魅力に目覚め次第にのめり込んでいく中で、
                  競技で他人を傷つけた過去と対峙し葛藤するようになる。
                  他人と衝突しながらも勝利に固執するエース櫻井と生き方に触れ、
                  正樹が見つけたペダルに込める思いとは。

                  シリーズ4作目。テイストは同じだけどほぼ独立してる印象。
                  これまでのクールで大人なカッコイイロードレースの世界が、
                  フレッシュで青い青春小説で再構築されている感じ。
                  タイトルがちょっと分かりにくい気がした。

                  シリーズを通じて描かれてきたエースとアシストの独特な立場や振る舞いを、
                  学生という若い世代からの視点で描かれているのが面白い。
                  特に残された者の責任感やプレッシャーによる葛藤は、
                  若さ故の青さもあって純文学的な読み応えがあった。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    05/11  雨の日も神様と相撲を。

                    相撲好きの両親の間に生まれながらも
                    体格に恵まれずいつまでも勝てない現状を淡々と受け入れる文季。
                    彼が転校したのは相撲好きのカエル様を崇め稲作中心で生計をたてる田舎の村だった。
                    粛々と暮らすつもりがひょんなことから相撲を教えることになった相手とは…という話。
                    これでもまだ僕は相撲に愛されてるんだろうか。むしろ祟られてるんじゃないだろうか。
                    僕は何のために、今日まで相撲をやってきたんだろう。

                    相撲時々民俗学たまにミステリーといった感じ。
                    冷静で聡明すぎる主人公、正統派ツンデレ描写、御都合主義的な帳尻合わせ、
                    など、てんこ盛りな設定をマンガっぽい世界観が上手に包み込んでいる感じ。

                    もう少し本格ミステリ的な展開を期待していたけど、意外にも本格スポ根的な展開。
                    何の話を読んでいるんだっけ?感からの後半の畳み掛けが素晴らしい。
                    宿命とも言える文季と相撲との対峙にシビレずにはいられない。

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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