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    | author : スポンサードリンク | category : - | comment : - |
    12/22  裁く眼。

    描写力に自信がありながらも路上で似顔絵描きをしている鉄雄は、
    ひょんなことから世間から注目を浴びる連続自殺事件の法廷画家として駆り出される事に。
    被告人は本当に稀代の悪女なのか?
    そして鉄雄の法廷画がテレビ放映された直後、事件は思わぬ展開を迎える。
    という話。

    久々の我孫子武丸先生。キャラクターの掛け合いのこの感じとか。
    法廷画家にスポットを当てる目新しさが斬新なだけじゃなくて、
    先が読めないというかサスペンスなのかミステリーなのかすら怪しいというか、
    選択次第では色んな方向に話が転がりそうな伏線感をビンビン感じた。
    探偵映画みたいな渋い技巧小説を期待した筈が、
    むしろ初々しいデビュー小説読んだような読了感。大目に見てもらえれば面白い系。

    主人公のスキルをもっと超能力っぽく演出したり、
    ベタな名探偵キャラを登場させたり、逆に犯人視点の描写を挟むなりすれば、
    それそれがらりと違った作品になっただろうなと思う。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      12/01  嘆きの美女。

      コンプレックスから引きこもりを拗らせた耶居子は、
      美女達が美女ならではの悩みを打ち明け会うネットコミュニティを見つけ、
      執拗に荒らす日々を送っていたある日、
      ひょんな事から彼女達と共同生活をする事に、という物語。

      醜い部分の描写が案外上手い。
      陰湿な主人公と性格ブスの美女達との構図を予想したけれど、
      言いたいことをズケズケ言う格好良さとカタルシスのドタバタなドラマだった。
      美女は美女で悩んでるって事なのかもだけど、
      結局誰が何と戦ってる話か分からなかった印象。

      ネガティブなのに好感持たれて
      自身の感覚にブレがないのにセンスが評価されて
      暴言が意外と芯を喰ってたり…と、耶居子の役割が大きすぎて。
      これ自体が夢オチかトリッキーな叙述トリックを疑うほど。
      結局これは回りくどく美人をディスってる?いや、その逆か?

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        11/10  僕の人生には事件が起きない。

        ハライチのボケ担当、岩井さんの初エッセイ。
        普通に生活している日常を面白がるというコンセプトで、
        あえて事件が起きない人生を綴ったエッセイだった筈が、
        共感でもない脱力でもない、独自の視点で切り取った物語。

        ラジオリスナーにとってはフリートークのノベライズ版みたいな感じ。
        相方の相槌が欲しくなる。これをきっかけでリスナーが増えると良いな。

        文章の精巧さよりも、分析の辛辣さ、自分自身に対する執着心の無さ、
        それらを独特の着眼点や理論で器用にコントロールしながら、
        結局上手く立ち振舞えない不器用さのアンバランスが面白い。

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          | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
          10/20  かがやき荘西荻探偵局。

          ひょんなことから
          西荻窪のシェアハウス「かがやき荘」を訪れることになった成瀬啓介が出会ったのは、
          お金も色気もない残念なアラサー女子三人組。
          滞納する家賃の代わりに素人探偵として謎解きで賄うと言い出す始末。
          ぐだぐだと捜査に乗り出す彼女達が輝く日は来るのだろうか。

          あいかわらず雰囲気は緩いのに結構がっつり王道な本格ミステリなうえ、
          ギャグのクオリティも高いから侮れない。
          表紙の様な宅飲み酩酊推理というよりは結構アクティブ探偵小説。
          結構死体も転がる。

          構造上、毎回同じパターンになりそうな設定なのに、
          以外と展開にバリエーションがあって濃厚な読み応えの一冊。
          その割りに読了感はあっさり気味。
          探偵少女の時は溝の口を(というか南武線沿線を)いじりまくってたけど、
          今回はそこまでディスってる感じはない。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            08/11  私は存在が空気。

            一度行った場所へ瞬間移動できる引きこもりの少年、
            存在感を空気の様に消せる少女、念力、自然発火、…etc。
            超能力を持った少年少女のイケてない日常と淡い恋を描いた物語。

            中田永一版のSPECかグラスホッパーを期待したけども、
            ヒリヒリしたりワクワクしたりする手に汗握る展開より、
            のほほんとした現実感と切なさがいかにも中田永一っぽい。

            超能力という圧倒的なアドバンテージがありつつも、
            絶妙な制約と確かな空回りで上手くいかない恋はいたって青春。
            タイトルは秀逸。

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              | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
              07/21  こぼれる。

              本屋で働く雫は妻子ある大介と付き合ってしまう。
              関係に悩んだ雫は別れを切り出す決心をするが…という話。
              それぞれの視点で描かれる連作短編集。

              単なる人の道を外れた恋の物語ではない。
              変われない自分から生まれ変わろうとする勇気の話、
              糾弾するものと擁護するものとの正義の話、
              はかなくても揺るがない愛の話、不条理な現実の話。
              このわずかな登場人物の中で
              何重にも折り重なった相関のなんと美しい事。

              文筆業にも定評がある女優の酒井若菜さん。
              一見ドロドロした生々しい展開かと思えば、
              丁寧に前進していく…前進を促していく構成に
              作者の優しさを見た気がする。
              ルービックキューブの使い方とタイトルにセンスを感じる。

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                | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                07/14  明るい夜に出かけて。

                深夜のコンビニでアルバイトをするトミヤマの唯一の楽しみは深夜ラジオを聴くこと。
                ひょんな事から番組の缶バッチを持った少女に声をかけてしまい不思議な交流がはじまる。
                SNS上の絆と孤独、深夜ラジオにすがる不器用な若者の熱量を描いた物語。

                お悩み相談的なのじゃなくてガチなハガキ職人の方のラジオリスナー。
                青春ドラマとしては起伏に物足りなさを感じるし、
                ドキュメンタリーとしては登場人物のフィルターを通すので臨場感が物足りない。
                それぞれの物足りなさに加えて佐藤多佳子の世界観とアルピーとの違和感があいまって
                独特のリアリティーを帯びていると思う。

                フィクションの裏にノンフィクションを描く手法はこれまでにもあるが、
                史実とかじゃなくてカルト的人気を博す深夜ラジオをチョイスした事に
                作者の愛を感じずにいられない。

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                  | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                  06/23  芥川症。

                  芥川竜之介の名作を医療エンターテイメントとしてパロディした短編集。
                  死因を巡って病院内で証言が二転三転し真相は藪の中になってしまう「病院の中」。
                  他人の寄付金によって生きながらえた怠け者に付き纏う黒い勇気と黒い正義「他生門」。
                  蜘蛛の糸を教訓に地獄から救いだしてくれそうな生き物を過保護にする「蜘蛛の意図」。
                  ブラックユーモア満載の全七編。

                  単なるタイトルの引用だけではなく、
                  原作の持つ不条理さ滑稽さグロテスクさがきちんと感じられる出来栄え。
                  医学の確かな知見から専門分野のリアル路線で行けば良いのに、
                  テンポや着眼点が普通以上のクオリティだと思う。

                  装丁から勝手に想像して
                  容姿や思考が芥川っぽくなる奇病を面白おかしく描いた話かと思ったら純文学だった。
                  や、秀逸なオマージュか。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    06/09  という、はなし。

                    素敵な世界観のフジモトマサルのイラストと
                    不思議な世界観の吉田篤弘の文章がセットになった物語集。
                    さまざまな場面で読書する動物と後付けされる煮え切らない描写が、
                    どこか人間味が溢れる感じでとても良い。
                    二十四話を大事に読みたくなる。

                    普通は文章にイラストを添えるところを、
                    本作はその逆、挿絵ならぬ挿文。その背景を理解した上で、
                    吉田篤弘のモヤモヤとフジモトマサルのニヤニヤを含めて味わいたい作品。
                    あとがきはまえがきでも、よかったんじゃないだろうか。

                    本の中で冒険するようないつもの物語感とは違って、ちょっとひと休みな話かな、
                    と思いきや心ここにあらずな感じ。本に対する愛だけは変わらない。

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                      05/12  猫河原家の人びと(一家全員、名探偵)。

                      「推理せざる者、食うべからず」という家訓の下、
                      推理を披露しないと夕飯がもらえない家族とその家から必死に出たい女子大生の話。
                      今夜もそれぞれの名探偵が持ち寄った難事件について、
                      捜査会議という名の家族会議が始まる。

                      ツッコミ所は満載。
                      ライトなユーモアミステリー仕立てで結構ロジカルな本格推理が楽しめるかと思いきや、
                      意外とスッキリしない感じ。
                      推理好きなのか、推理小説好きなのか、
                      謎解き好きなのか、捜査好きなのか、解決好きなのか。
                      探偵キャラ揃い踏みの一家というフリが効いてる割に、物足りない読了感。

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                        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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