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02/24  ニセモノの妻。

夫婦をテーマにした短編集。
引っ越ししたマンションで何故か他の住人の誰とも会えない話。
突発性真偽体分離症という自分とそっくりなニセモノが存在してしまう話。
坂を愛するあまりに坂を占拠してしまう愛好家の話。
仲睦まじい夫婦に起こった悲しい事故の話。

日常の中に溶け込んだ非日常の世界から垣間見る不思議な物語。
ブラックな生真面目さと凝ったディテールを独特のユーモアで包んだような
三崎亜記感を存分に楽しめる作品。
シニカルな不条理とハートフルな夫婦関係とほんの少しの狂気が織り成すハーモニー。

エッジの効いた設定が多いから長編よりも短編の方が向いてる作家さんって印象だったけど、
ギミックは分かるけどイマイチ読み応えが物足りない話が多くて意外だった。

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    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
    01/20  キッチン風見鶏。

    幽霊と交信ができるという特殊なチカラを持っている坂田翔平は、
    キッチン風見鶏でアルバイトをしながら漫画家デビューを目指していた。
    母娘三代で切り盛りするオーナーシェフや温かい常連客との交流を通じて、
    家族の絆、夢を追う強さ、友情、縁、を描いた心暖まる物語。

    料理で謎を解くようなストーリーかと思っていたけど、
    むしろスピリチュアル設定の方がメインのファンタジーだった。
    結論よりも随所に散りばめられた哲学的な言葉を楽しむ作品。
    誰もが悩みを抱えていて誰もがそれを応援している、
    そういう所が好評に繋がっているのかも知れない。

    最初っから幽霊の設定が提示されているので、
    どうしてもシックスセンス的な派手なアクロバットに期待が注がれるけど、
    割りと素直な話だった。構成とストーリーテリングの妙。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      01/13  電球交換士の憂鬱。

      世界でただ一人、電球交換士という肩書きを名乗る男の物語。
      とある街の行きつけのバー「ボヌール」で顔を合わせる仲間達に語られるのは、
      失われゆく古き良きものへの想いと出会い、それにまつわる不思議な話ばかり。
      今日もまた電球交換士の憂鬱は続く。

      謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作短編集らしいのだけど、
      割りといつも通りの吉田篤弘で、焦燥感と美学と言葉遊びとだった。
      以前、もう少しミステリー的なエッセンスを所望していたので、うってつけの作品だった。

      伏線というかドラマとしての要素がしっかりしてるので読みやすかったと思う。
      いっそもっとスチームパンクな世界観でも良かったと思うけど。

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        12/31  神様、そりゃないよ。

        2018年のおみくじは小吉だった。自分の小吉を引き当てる才能には脱帽する。
        多くは望まない慎ましやかな小吉並の暮らしにも慣れたものだと思っていたのですが。
        万全の心構えで挑んでんのに、全力でその上をいかれた感じ。そりゃないよ神様。

        総じて、難局から解放されるので環境の変化に注意して頑張れ的な内容。
        こんなにメッセージ性の強いおみくじも心強い。良いことばっかで本当に小吉なのか。
        でもそこは小吉って事なんですね。難しいよ神様。

        仕事:○解決または崩壊、締め括りに注意。→△順調に荒波って感じ。
        縁談:○新しい局面を迎える、慎重に。→○ビジネスパートナーって意味では。
        健康:△無理せずに休め、急変に注意。→○大病もなくなんとか生きてる。
        学業:○蓄えてきた力を爆発させろ、頑張れ。→☓相変わらず力及ばず。

        年間10冊で過去最低の読書量。通勤時間に読まなくなったのが地味に効いてるような。
        期待ハズレも多かったけど、藤崎翔、倉知淳は面白かった。
        来年はもう少しポップな話を読んでいこうかな。

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          | author : すペ3 | category : days | comment : comments(0) |
          12/30  永い言い訳。

          小説家の津村啓こと衣笠幸夫は、ある日突然事故で妻を亡くす。
          夫婦関係が冷えきっていた為、表面上しか悲しむことが出来ない幸夫だったが、
          同じ事故で妻を亡くした陽一とその子供達と出会い、
          不思議な家族関係を構築していく、
          という話。

          生死から真っ向に向き合う話を選んだつもりが真逆だった。
          作家の浮世離れ感というか、知ったかぶり感というか、
          デキる感じを出しときながら足りてない感じが絶妙。
          現実と対峙するまでの壮大な遠回りというか、
          あ、永い言い訳ってそういう意味か。

          「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない」
          って素敵過ぎるコピーだなと思った。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            11/10  木洩れ日に泳ぐ魚。

            同棲していた二人が部屋から出る前夜の会話劇。
            数奇な巡り合わせにより記憶を共有する二人の間に、
            何故か張り巡らされてしまった緊張感の正体とは。

            過去に起きた事件の真相を記憶の中で辿るミステリー。
            二転三転する展開とか、ひたすらロジカルな攻防とか、
            そういうエンターテイメント寄りの話かと思ったけど、
            恋人、兄弟、家族とのコミュニケーションの話だった。

            目に見えない何かに怯え何かを信じ、
            結局目に見えない何かなんて何もなかったという話。
            手に汗握るというより、じんわりと考えさせられる読了感。

            勘違い、先入観、思い込みの緩急はエンターテイメントかも。
            「筋は通っているけど短時間でそんなにあれこれ整理出来るかな」って部分に、
            自分の中で納得が求められるかで評価は別れる気がする。
            いっそのこと全部をぶん投げる位の大アクロバットをかましてくれても良かったよ。

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              | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
              08/09  6時間後に君は死ぬ。

              他人の非日常な未来を言い当てる謎の青年の話。
              「6時間後に君は死ぬ」と宣告された美緒は、
              未来を変えられるのか?

              いわゆる超能力モノ。
              連作短編風で、サスペンスだったりファンタジーだったりと
              ジャンルは各話で凝ってる印象。
              毎回、命題的に予知ありきで短編が進むのかと思ったらそうでもなく、
              キャッチーなタイトルで期待してたのだけど、思ってたのと少し違った。

              見える人ではなく、見える人の側にいる人の視点だからかイマイチ臨場感に欠ける。
              そもそものSF設定がすんなり受け入れられたりと色々と賛否別れる気がする。
              設定とか世界観がややチープでレトロな感じがするけど、10年前ってこんなだったっけ?

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                | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                07/15  神様の裏の顔。

                人格者で誰からも慕われていた教師・坪井誠造が他界した。
                通夜に集まった、元教え子、元同僚、ご近所さん、マンションの店子など、
                多くの弔問者は神様のような人柄だった故人との別れを惜しんで涙を流していた。
                各々が回想に更けるなか、
                「まさかそんなことするわけないよな」で塞き止めていた疑惑が明かされた時、
                神様のとんでもない裏の顔が…という話。

                弔問者の独白形式で展開していく偶像劇。
                パズルのピースの様に、謎と鍵の掛け違いが緻密に張り巡らされていて、
                丁寧にフリを重ねている分、伏線回収の爽快感はひとしお。

                通夜をぶち壊すような親族争いとかのドタバタした話になるかと思ったけど、
                想像以上にスタイリッシュなシチュエーションコメディだった。
                接点の無い各々の独白をオープンにして一気に謎解きへと繋げる構成が面白かった。
                また良い意味で大味なキャラクターや視点の繋ぎが巧みであっという間に引き込まれた。

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                  | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                  07/08  探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて。

                  勤め先をクビになりなんでも屋を始めた橘良太が出会った探偵は、
                  ロリータ服に身を包んだ小学四年生の女の子だった。
                  ユーモアミステリーの名手・東川篤哉の探偵少女シリーズ連作短編集。
                  溝ノ口より愛をこめて。

                  烏賊川市シリーズと変わらず、ユーモアミステリーを装った本格推理小説。
                  秀逸なギャグに紛れ込ませるようにミステリーの醍醐味が注ぎ込まれている。
                  唯一の違いは、今回の舞台は実在する地名だということ。
                  何の恨みか南武線沿線を全力でいじり倒す様はまさにタイトルに偽り無し。
                  もはや探偵少女が霞んじゃってるから。

                  たぶんニヤニヤしながら南武線に乗りたくなること請け合い。
                  出来れば長編もお願いしたいけど、やはり南武線には荷が重いかな。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    06/24  パロール・ジュレと魔法の冒険。

                    つぶやきが凍結して結晶化する謎の現象が起こる街キノフを舞台に、
                    諜報員やら解凍士やらが暗躍する魔法的冒険小説。
                    主人公十一番目のフィッシュがたどり着く秘密の真相とは。

                    ハードボイルドなスパイ小説と見せかけて、
                    本の中に潜入したり登場人物に変貌したりと、
                    著者らしいユーモアと言葉遊びの効いた濃厚なファンタジー小説だった。
                    雰囲気と世界観がとにかく絵になる。

                    本から本へと渡り歩くフィッシュさながらなストーリー展開に
                    振り落とされない様に必死に食らいついた感じ。
                    この骨格ならもう少しミステリー路線でも行けたし、
                    遠いどこかの国のSFな日常小説でもいけたよねって思う。

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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