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06/24  パロール・ジュレと魔法の冒険。

つぶやきが凍結して結晶化する謎の現象が起こる街キノフを舞台に、
諜報員やら解凍士やらが暗躍する魔法的冒険小説。
主人公十一番目のフィッシュがたどり着く秘密の真相とは。

ハードボイルドなスパイ小説と見せかけて、
本の中に潜入したり登場人物に変貌したりと、
著者らしいユーモアと言葉遊びの効いた濃厚なファンタジー小説だった。
雰囲気と世界観がとにかく絵になる。

本から本へと渡り歩くフィッシュさながらなストーリー展開に
振り落とされない様に必死に食らいついた感じ。
この骨格ならもう少しミステリー路線でも行けたし、
遠いどこかの国のSFな日常小説でもいけたよねって思う。

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    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
    05/06  カナシミ。
    スネオヘアー
    リットーミュージック
    ¥ 1,404
    (2018-03-16)

    大学卒業後、やりたいことを見つけられずに怠惰な日々を送るコウジの前に
    突然現れたカナシミ。
    挫折と失敗を繰り返すコウジと至るところに現れては翻弄するカナシミ。
    スネオヘアーの悲しみロックフェスティバルを題材にした本人書き下ろし小説。

    ちっとも成長しない主人公の自分勝手さがリアルだけど胸は打たない。
    敢えてなのか、ユニークなキャラクターとの会話の描写が物凄く淡白に進んでしまう上に、
    急に疎遠になったりするので、どうしてくれようこの消化不良感。
    これといった伏線の回収もない。
    著者の愛すべき独特な感性と語彙力はそこそこ楽しめる。

    ジャンル分けが難しい。
    恋愛とかミステリーとかSFとかジュブナイルとか、
    話の持って行きようはあったと思うけど、
    強いて言えば純文学風の青春小説だろうか。言うほど切なくは無い。
    これはこれで好きだけど起伏を期待していたので残念。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      04/30  カソウスキの行方。

      理不尽ないきさつで郊外の倉庫に左遷させられたイリエ。
      婚約して元気になった友人にあやかりたいと、
      消去法で同僚を好きになったと仮想してみる、という話。
      恋愛でもなく、妄想でも空想でもなく、
      想定と観察という不思議な小説。他2編収録。

      能動的と消極的のアンバランスさの妙。
      主人公の冷静さやナナメさに
      恋に「落ちた人」と「落ちたテイの人」との明確な違いを見た気がする。
      恋愛はすごいなあおい(棒読み)。

      着想としては
      もっとエキセントリックにもロマンチックにも持ってけただろうけど、
      そこら辺の変に律儀で不器用で偏屈なところに
      この主人公が生きてるような気がして勇気と親近感が湧くんだと思う。

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        01/20  ほうかご探偵隊。

        探偵小説好きの小学五年生の僕と龍之介くんが挑むのは、
        クラスで起きている謎の不要物連続消失事件。二点三点の末に辿り着く真相とは。
        これから本格推理小説を読むすべての子供達に送る。

        子供向けと侮るなかれ大人も大満足の名探偵っぷりと怒涛のどんでん返し。
        いろんなタイプのミステリー小説を一度に楽しめるような豪華な作品だと思う。
        倉知淳好きには間違いなく損させないクオリティ。

        小学生らしからぬ台詞回しが逆に壮大なネタみたいでカワイイ。
        「日曜の夜は出たくない」を初めて読んだ時みたいな不思議な読了感が味わえた。

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          | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
          01/13  アイネクライネナハトムジーク。

          「出会い」をテーマにした連作短編集。特殊能力も殺し屋も泥棒も登場しない。
          ひょんな事で残業したり、友人宅で家飲みしたり、
          家族や恋人と揉めそうになったり、仕事を頑張ってみるかと奮起したり、
          普通だけどちょっと情けない、けどなぜかほっとけない、小さな夜の物語。

          実は重要なピースを担うボクシングのエピソード。
          性別も時間軸もバラバラな主人公達を繋ぐのは
          「日本人初のヘビー級タイトルマッチに挑戦したある試合」という構成。
          相変わらずダメだけどカッコイイキャラクターの訳の分からない名言がいちいち刺さる。
          フィッシュストーリーや終末のフールの雰囲気が好きな人にオススメしたい。
          初心者向けではあるけどその場合には斉藤さんが結構ネックになってくるのよね。

          伏線回収や隠れたリンクを支持するレビューが目に付くけど、
          そこまで凝ってるような感じはしなかった。
          むしろ、各エピソードの切り取り方が斬新だったと思う。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            12/31  覚悟は出来てたけどね、ありがとう。

            元日のおみくじの通りの一年だったか検証する神様と反省会2017。
            今年は「吉」でした。そろそろどーんと大きな船に乗りたいのですが。

            「見通しは立つ、が、派手さに目を奪われるな」との事。
            んで、結果「吉」ってことは、足元すくわれるって事だよね?
            分かってたのにすくわれたわ足元。覚悟は出来てたけどね、ありがとう。

            仕事:◯好調だが無理するな。→◯酷い有様だけど後半幾分持ち直した。
            縁談:△自戒せよ。見栄をはるな。→△自戒して見えは捨てたと自負している。
            学業:◯閃きを信じて迷わず進め。→✕進んではみたけど、もしや閃き間違ってる?
            健康:△変化が激しい。調子を保て。→◯おそらく体質改善したけど体調に変化なし。

            かなり忠実に一年を過ごしたと思うのですが、好機や転機を見送った感も否めない。
            叶わなかった場合にどうしてくれよう、といった具合です。凶じゃないだけマシって事か。
            良くも悪くも、
            余程ダイナミックな事をしない限り、人生の枠からは外れないんだと思い知った。

            日々に追われて読書の時間が減ってしまっているのが悲しい。
            久しぶりにマニアック路線に戻してみたけど、エンターテイメント性に乏しい一年だった。
            ので、来年はもう少しメリハリのある作品を意識的に選んで行きたい。

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              | author : すペ3 | category : days | comment : comments(0) |
              12/30  最低。

              現役AV女優によるAV女優という仕事を選んだ女性を描いた短編集。
              両親、恋人、夫、娘、というそれぞれのかけがえのない人間関係に、
              驚くほど身近で呆気ないほど乱暴に影響を及ぼすAV女優という職業とは。

              笑える裏話とかあるあるネタでは無く、耳障りの良いお仕事小説でもなく、
              あくまでAV女優という題材をきちんと文学的に表現した作品だと思う。
              性的な刺激は抑えめで、読了後に言い様のない寂しさを感じる。

              途中の変な句読点が見え透いてて鼻についたけど、
              よくある素人のケータイ小説みたいなクオリティとは明らかに違っていた。
              この人のイロモノとしてでないエンターテインメント作品が読んでみたい。

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                | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                12/10  坐禅ガール。

                作家のよう子が出会ったのは、心に闇を抱えた美女りん子。
                ひょんなことからアメリカの禅マスターの坐禅会に参加することになった二人は、
                徐々に自身のコンプレックスと向き合っていく、という話。

                坐禅や瞑想の理解が深まればと思ったのだけど、
                どちらかと言えばコンプレックスとの付き合い方に終始していたような印象。
                そこまで万能も超越も無いのは分かってるんだけど、
                その割には坐禅マスターの絶対的な存在が腑に落ちなかった。坐禅ってそうなのか。

                ポップな装丁と見せかけて結構じっとりした内容だった。
                メンヘラな深層描写は近藤史恵の小説みたいでヤバかったけど、
                ミステリ的な手法や展開が物足りなかった。

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                  | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                  10/23  少年少女飛行倶楽部。

                  中学一年生の佐田海月が、
                  親友・樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。
                  部員数も足りない活動内容すら曖昧な、あり得ないんだけどマジ、な部活。
                  果たして彼等は飛行する事が出来るのか。

                  鳥人間コンテストっぽいスポ根青春系の話を期待してたのだけど、
                  友達関係や家族の問題を扱った中学生日記的な道徳青春系の話だった。
                  著者なら、頑張れば日常の謎の一個や二個くらい忍ばせられそうだったけど、
                  こういうちょっとドタバタでマンガみたいな展開も面白かった。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    09/24  台所のラジオ。

                    台所のラジオから流れる小さな声に導かれるままに、
                    記憶の底に眠る美味しそうな食べ物にまつわる短編集。

                    吉田篤弘の小説に度々登場する美味しそうな食べ物は、
                    どれも気取らない日常的なものでありつつも、
                    どこか不思議なお洒落さを兼ね備えていると思う。

                    心がほっこりするようなストーリーかと思いきや、
                    食べ物とラジオ以外の共通点は無く、
                    キュンとする話からゾクリとする話まで、
                    著者の様々な面を楽しめる充実の読書体験だった。
                    あとがきも秀逸過ぎる。

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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