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04/28  腕貫探偵。

不思議な出来事や些細な謎に直面した際に、
突如として現れる「市民サービス臨時出張所」を名乗る怪しい男。
名前の通りに銀縁メガネに時代錯誤な腕貫をした「いかにも」な風貌の役所職員は、
凄腕の安楽椅子探偵だった。…果たしてこれは夢か幻か?

オーソドックスな本格推理なシチュエーションは殆ど無いけれど、
お役所仕事的な杓子定規さ加減が、妙にミステリアスな味を出してて、
現実のようで現実でない不思議な世界観が表現されている。
この探偵役の微妙な立ち位置が安楽椅子モノの醍醐味の一つと言えよう。

久しぶりの西澤保彦だけど、ちょっと下世話な感じと、
苗字に気を取られる感じがどうにも肌に合わないのだよね。
鮮やかさというより丸め込まれてる感でイマヒトツ。

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    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
    02/28  アイスクリン強し。

    江戸が明治に変わった維新の真っ只中の時代。
    居留地育ちの皆川真次郎は西洋菓子屋を開店させるが…という話。
    女学校に通う幼馴染の小泉沙羅や元旗本出身の巡査「若様組」等と、
    時代の間を必死で生きていく若者達の青春物語。

    文明開化×洋菓子×ミステリー。
    想像していたよりも、ずっと甘酸っぱい感じは無くてミステリーだった。
    ただ、不思議と印象には残らなかった。どさくさ紛れで謎解きしてるような。
    設定上の西洋菓子屋たる確固たる必然性がもう少し欲しかった。

    世界観は分かりやすいし、キャラクターは立ってるんだけど、
    飛び道具というか、インパクトが弱いせいか、森見登美彦からアクを除いた感じ。
    このモヤっとした感じが明治時代の青春なのかもしれないが。

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      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
      02/11  おやすみラフマニノフ。

      地方音大でヴァイオリンを専攻する4回生の晶は、
      滞納している授業料、決めかねている進路、演奏者としての力量や才能、
      あらゆる不安や崖っぷちの将来を打破すべく、定期演奏会オケに選抜される事に全て託す。
      そんな中、楽器保管室から時価2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗まれる事件が発生する。

      今度は貧乏な音大生の話というだけあって、
      クラッシックの優雅な一面に隠されたシビアな現実が描かれている。
      また、謎解きにのみ重きを置かず、色んな角度によるメッセージが織り交ぜられていて、
      前作同様に賛否が分かれそうな印象。全体に漂うのは音大生の焦燥感。

      前作と微妙に重なる時間軸で展開していくので、既読者としてはより一層楽しめた。
      相変わらず場面描写の取捨選択の上手さが光り、また音楽の描写については圧巻。
      目を閉じれば怪しく切ないヴァイオリンの調べが聴こえるはずだから。

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        | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
        02/02  百瀬、こっちを向いて。

        色恋沙汰とは無縁の地味な日々を過ごしていた筈が、
        ある日、突然、切なくて苦しくてちょっと嬉しい日々に巻き込まれる。
        そんな不器用で瑞々しいエピソード。某有名作家の中田永一名義の短編小説。

        恋愛小説の括りにするのは個人的には全然しっくり来ない。
        それは日常をドラマに替える鍵であるそれぞれが抱えた「秘密」が、
        エッセンスとしての域を超え、他の恋愛小説のそれとは一線を画する為だと思う。
        むしろ、恋愛小説を騙ったミステリ小説を装った巧妙な恋愛小説と言っても過言ではない
        …のではないでしょうか?

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          | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
          01/21  ジョーカー・ゲーム。
          柳 広司
          角川書店(角川グループパブリッシング)
          ¥ 580
          (2011-06-23)

          戦時中の日本陸軍に密かに組織されたスパイ養成学校、通称・D機関。
          軍隊に見を置きながらも「死ぬこと・殺すこと」を最悪の選択と言い放ち、
          「見えない存在に徹すること」こそが諜報活動をする極意と説く、その戦術とは。
          各話で時間軸や視点がオムニバス形式で変わる連作短編集。

          時代背景や専門用語やらが意外とゴチャゴチャしてなくて、
          スタイリッシュかつ奇妙奇天烈でミステリアスな推理小説だった。
          見えない存在が平然とはびこる恐怖感と、平然とやってのける爽快感。
          その生き様にシビれさせられた。

          まず全員が神業的能力を持った凄腕のスパイであるという前提。
          そして、中でも圧倒的な存在感を誇るのはD機関の頂点に君臨する結城中佐。
          特筆すべきは、あえて多角的な視線で影に徹する結城中佐の輪郭を描く事により
          逆にキャラクターを効果的に浮かび上がらせる事に成功している事だと思う。

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            | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
            01/10  ポトスライムの舟。

            薄給だが人間関係には恵まれた職場ながらも、
            「時間を金で売っているような生活」に虚無感を抱く29歳のナガセ。
            ある時、世界一周旅行の費用が、自分の手取り年収と同額だと知り…という話。

            プロレタリアっつうか、むしろ「仕事にとらわれない」のが一つの言える事。
            とてもじゃないけど「脱力系勤労小説」なんてお気楽な帯を付けちゃ駄目な作品。
            生きる事と働く事はいつの間にやら密接に繋がってしまっている。

            文学的技工が評価され芥川賞受賞となったらしけど、
            病み気味の女性たちの、妙に薄暗い台詞ややりとりが肌に合わず、途中、何度か混乱した。
            単純作業中に取り憑かれる妄想は決まってどうでも良いけど、本人にとっては全てなんだ、
            と何故か客観視できな自分が居た。

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              | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
              12/31  自分の人生をつまらなくしてるのは自分だ。

              神様と反省会2011。自分の中で恒例となった「おみくじの答え合わせ」です。
              本年は「吉」という事で「チャンスだからやられる前にやるべし!」という肉食系な助言だった訳で、
              結果としては、おっしゃる通り。ぼやぼやしててやる前にやられてしまった訳です。否は全て自分に。

              仕事:○スピードを持ってチャンスを逃すな。⇒×スピード感の無さがすべての元凶な気がする。
              縁談:◎豊かに育つ。早くまとめる方が良い。⇒△確かに豊かには育った。ただまとめ損なっただけ。
              健康:△精神面の動揺が心配。拘りを捨てよ。⇒△それは今に始まった事じゃないので動揺しないさ。
              学業:○ヒラメキが好調。自信を持って進め。⇒△自分を信じる事が出来れば、全て変わってたのかな。
              総評:スピード感という分かりやすいヒントを掴み損なったのが悔やまれる。

              読書遍歴として、全体的にペースが落ちましたな。特に12月の読了が0冊って。
              なぜか今まで読まず嫌いだった「サクリファイス」が思いのほか面白かったのが印象的。
              次いで「凍りのくじら」「チーム・バチスタの栄光」「ハーモニー」「阪急電車」など。
              案外、ミーハーな方向にシフトしつつあるのかも。来年も良い出会いに期待したい。

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                | author : すペ3 | category : days | comment : comments(0) |
                11/18  完全犯罪に猫は何匹必要か?

                架空の地方都市・烏賊川市を舞台としたシリーズ第3作。
                殺人現場は部類の招き猫マニア豪徳寺豊蔵の自宅ビニールハウス。
                入り口には何故か巨大な招き猫が置かれて、事件当夜に失踪中の猫が目撃される。
                破格の報奨金で猫探しを依頼された探偵は果たして真実に辿りつけるのか?

                猫探し×アリバイ崩し。
                ここまで事件と無関係な探偵も珍しい。
                招き猫に招かれるのは、迷宮の出口かそれとも入り口か?

                前作までと同様に、
                ユーモアを織り交ぜながらも本格ミステリ的な要素はきっちりと味わえるが、
                密室や洋館が扱った前作までと比べると、ビニールハウスは些か雰囲気に欠けた気も。

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                  | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                  11/13  阪急電車。

                  片道15分のローカル電車・阪急今津線。
                  宝塚から西宮北口を繋ぐ車内の中で巻き起こる乗客達の物語。
                  新しい出会いに恵まれる人、悩みを抱える人、救いの手を差し伸べる人、
                  同じ電車に乗り合わせた小さな偶然が繋ぐ人間模様。
                  そして、電車は折り返し、結末へ向け走り始める。

                  激甘でもビターでも無くほっこり胸キュンですか。なるほど。
                  リアリティとおとぎ話が共存する絶妙なバランス感覚が何かスゲェ女子力。
                  結局、良い恋愛を胸に秘め、オンナは前向きに生きていけって事で。

                  連作短編集形式ながらも時系列が一定に進むユニークな構成をとっており、
                  一連の描写が各乗客の視点で多角的に語られるのが面白く、心地良いリンク感。
                  井上夢人の最終電車っぽい趣向で、良い塩梅に重なってる。

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                    | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
                    09/23  推理小説。

                    警視庁捜査一課の女刑事、検挙率ナンバーワンにして無駄に美人、雪平夏見。
                    彼女が呼び出されたのは昨夜惨殺された会社員と女子高生の連続殺人事件現場。
                    現場から発見された栞には「アンフェアなのは、だれか」と書かれていた。
                    ほどなくして事件の詳細と次の事件予告まで書かれた原稿が出版社と警察に届けられ、
                    前代未聞の推理小説型連続殺人事件へと発展していく。アンフェアなのは誰か?

                    脚本を手掛ける作者だけに、さすがドラマ的とでも言うべきか、
                    各人物の視点を使い分け、読み易さに支障を来す程に散りばめられた伏線とミスリード。
                    篠原涼子がどうしても脳裏にチラつくけど、こちらは別物とした方が良さそうだ。
                    きちんと全員が怪しく思わせるとは上手いなぁと思う。

                    推理小説形式での殺人予告というミステリーとしての雰囲気はバッチリ。
                    対犯人との頭脳戦による警察小説な展開を期待したけど、終始サイコホラーテイスト。
                    何がフェアで何がアンフェアなのか途中から分からなくなる。それこそがリアリティ?

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                      | author : すペ3 | category : book | comment : comments(0) |
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